ログイン

パスワードを忘れた方はこちら

レポート検索

登録企業一覧
エコほっとラインに掲載を希望される企業のご担当者様へ
エコほっとライン デジタルブックのご案内
エコほっとラインかわら版メールマガジンのご案内

メルマガ コラムバックナンバー(215号~210号)

ここでは毎月2回発行しているエコほっとラインのメールマガジン「エコほっとラインかわら版」で人気コンテンツのコラムを掲載しています。現在の主なテーマは海外企業のレポートの解説です。興味のある方はぜひ、会員登録の際に「メルマガ希望」をチェックしてご登録ください。

メルマガ会員のみの登録も出来ますので、こちらもご活用ください。

215号214号213号212号211号210号バックナンバー一覧へ戻る

地域の発展を大切にするSABミラー

猛暑がつづき、冷たいビールが欲しくなる季節。ということで、今回は、世界最大級の醸造会社で、ビール、ソフトドリンクなどの生産をしているSABミラーをご紹介します。サステナブルな発展のために、10の優先課題を定めて取り組んでおり、飲料業界のCSRのリーディング企業です。

同社のトップメッセージで特徴的なのが、地域との関わりに重点を置いている点。メッセージのあちこちに、地域への思いが込められています。

「私たちは、それぞれの市場の消費者に好まれる地域のブランドを作ることで、グローバルな醸造会社になりました。経営戦略の4つの柱のひとつは、持続的に地域の事業で利益をあげることです。多くの人に愛される高品質なビールやソフトドリンクを生産することによって利益をあげ、雇用を生み、税金を支払い、地域のマーケットに根付く技術を開発してきました」

「事業は当社だけでは成り立ちません。私たちの成功は、地域の成功と、変化する社会のニーズにどう対応するかということとリンクしているのです。2030年までに中流階級の人口は20億人から50億人に増加すると予測されています。その多くは新興国や発展途上国です。これらは当社にとって重要な成長市場となることから、私たちはそのような地域に投資をしています。過去5年間で私たちはアフリカのボトリング工場だけでも176,000万ドル以上の投資をしました」また、バリューチェーンの革新により、地域の経済成長に貢献する姿勢を示しています。

「アフリカでは、人口の65%が小規模な農業で生計をたてています。私たちはモロコシやキャッサバを醸造に利用する方法を開拓しました。これは地域の農家に対して、新しい市場と収入の道を開き、生産を増やす助けになります。世界で初めてのキャッサバビール『インパラ』を2011年にモザンビークで発売しました。アフリカ部門では、原料作物の52%をアフリカの中で調達することができています」

この他にも、アルコールによる害の削減や水資源の問題について、それぞれ地域とのパートナーシップで解決策を見いだしていくことが詳しく語られており、読み応えのある充実したメッセージとなっています。

SABミラー サステナビリティレポート2013(英語のみ) http://www.sabmiller.com/index.asp?pageid=4#ref_sd

215号(13年7月10日発行)

業界のCSR活動をリードするヒューレット・パッカード

今回は、サステナビリティへの取り組みで高い評価を得ているアメリカのIT企業、ヒューレット・パッカード(HP)をご紹介します。

トップメッセージは次の言葉で始まります。

「創業者のビルとデイブがHPの企業目的のリストにグローバルシチズンシップを初めて記載したのは1957年のことでした。そして今日でも私たちは、良い企業市民であることが革新と業績のために不可欠であることを知っています。企業市民活動は私たちの企業の目的である、人々の生活と仕事を向上するための中心となるものです」

2012年には大きな進捗が見られたとし、具体的な事例を紹介しています。

「ムーンショットプロジェクトから初めて製品が生まれました。これは、まったく新しい分野のサーバーを利用した革命的なデータセンターです。エネルギーを89%、スペースを80%、コストを77%削減することができます。これは市場の他のどの製品よりも大幅な改善ができたと自信を持っています」

増加するデータセンターのエネルギー消費が課題となっている中、このような製品は大きな期待を感じさせます。また、サプライチェーンマネジメントにひときわ力を入れてきたHPは、労働環境の改善に向けて業界をリードしており、業界初のイニシアチブをスタートしたことを語っています。

「中国では、学生と派遣労働者のための責任あるサプライヤーガイドラインの利用を開始しました。これは、リスクの高い労働者を守り、責任ある労働慣行を推進するための、業界で初めてのイニシアチブです。これは、HPのサプライヤーが高い倫理基準を満たし、労働者に尊厳を持って対応すること、離職者を減らすこと、製品の品質を高めることを確実にするより大きなコミットメントの一部です」と述べています。

メッセージの最後は「人々や地域、地球のために貢献することは、HPや従業員、顧客、株主への価値も生み出します。それは良い価値であるだけでなくよい事業です。そしてこれが持続可能な成長への道なのです」と締めくくっています。

短いメッセージの中に、持続可能な成長への強い思いと、具体的な成果が示されている優れたコミットメントだと思います。

HP グローバルシチズンシップレポート2012 http://www8.hp.com/us/en/hp-information/global-citizenship/ceoletter.html

214号(13年6月26日発行)

ベストレポートに選ばれたナイキ

今回は、コーポレートレジスターのCSRレポート大賞でベストレポートに選ばれたアメリカのスポーツ用品メーカー、ナイキのトップコミットメントをご紹介します。1990年代に、発展途上国にある契約工場で低賃金や労働環境の問題が指摘されたナイキは、その後、サステナビリティの推進に大きく舵をきったことで知られています。

トップコミットメントにおいても、「過去15年間、私たちは批判への対応というアプローチから、サステナビリティの追求を長期的な成長のためのドライバーに変化させてきました」と語っています。

そして、ナイキにおけるサステナビリティを「利益を生み出すビジネスモデルの展開に集中しながら、サプライチェーンすべてに良い影響を与えるためのツールを用いて生産効率を改善し、環境影響を最小限にすること」と定義しています。

また、サステナビリティの推進にはイノベーションが重要であることを強く主張しています。

「ナイキが成功したのは、イノベーションにこだわっているから。私たちはこの世界をどう良くしていくかに興味があります。これをサステナビリティの活動に展開するなかで、意味のある進化とは何かを学び続けているのです」

取り組みを進める中で学んだこととして「産業全体のコラボレーションが不可欠」「透明性は戦略的なアドバンテージ」「イノベーションを他社と共有したとしても、競争力を失うことにはならない」をあげ、「これら3つは、私たちの進化の核となるもの。なかでも最も重要なのは、サステナビリティは付加的なものではないこと」と語っています。

最後に、メッセージを次のように締めくくっています。

「若きデザイナー、ビル・ボーマンがよく言っていた『これは私たちができるベストなのか?』という質問を思い出します。この背後にある、たゆまぬ精神が私たちを今まで以上に突き動かしているのです。物があふれる時代は終わりました。ビジネスの実績の定義も広がっています。すべての人にとって良い成長を実現するために、もっと早く革新を進めるべきだとナイキは考えます」

イノベーションを重要視するナイキは、レポート大賞の「報告におけるイノベーション」部門でもトップを獲得していますので、ぜひご一読を。

ナイキCRレポート http://www.nikeresponsibility.com/report/content/chapter/letter-from-the-ceo

213号(13年6月12日発行)

30年後のH&Mの姿とは

スウェーデンのアパレルメーカー、H&Mのサステナビリティレポートは、洋服のカタログか雑誌のようなおしゃれなレポートです。トップコミットメントもインタビュー形式で、社長がサステナビリティへの思いを率直に語っています。

「サステナビリティの観点からファッションのコンセプトをどのように見ていますか?」という問いに対しては、「消費者がもっと簡単にサステナブルなファッションを選択できるようにしたいし、もっと洋服を大事にしてもらいたい」と答え、安価でありながら品質の高い服を提供していくことを目標にしていると語っています。

さらに、ファッション業界で最も早くから古着のリサイクルを始めたこと、環境への影響に配慮していること、2013年からは水利用についてWWFとともに新しい基準をつくり、水保全に取り組んで行くことを約束しています。

そして未来のH&Mの姿について、「30年後、ファッション業界のなかでH&Mとサステナビリティはどのようになっていると思いますか?」という問いに次のように語りました。

「私たちは事業を長期的に見ています。私の祖父は1947年にこの会社を立ち上げました。私はH&Mが今後も成功し、雇用を創出し、世界で成長する姿を見たいと思います。そしてH&Mがファッションとして優れているだけでなく、イノベーションやサステナビリティのリーダーとして認識されており、将来的には、古着のリサイクルがファッション業界で当たり前のこととなり、サプライヤーの工場で働く人々が賃金や労働条件を雇用者と公正な対話の場で交渉できるようになり、そして服が環境に与える影響が最小になり、そして世界中の消費者が簡単にサステナブルなファッションでそれぞれのスタイルをつくれるようになることを願っています。そしてこうした動きのなかでH&Mがしっかりと役割を果たしていることを願っています。」

力強い言葉はありませんが、服を購入する一般の人々にもわかりやすい言葉で語られており、消費者とともにサステナブルにしていきたいという思いが込められたメッセージとなっています。

H&Mサステナビリティレポート2012 http://about.hm.com/AboutSection/en/About/Sustainability.html

212号(13年5月22日発行)

倫理的な調達を推進するスターバックス

フェアトレードに関連して、今回はアメリカのコーヒーチェーン、スターバックスのCSR報告書を見てみたいと思います。

スターバックスは、「倫理的な調達」「環境面でのリーダーシップ」「コミュニティへの貢献」の3つを重点テーマとして取り組みを進めています。2015年までに、「買い付けるすべてのコーヒーを責任ある方法で栽培され、倫理的に取引されたものにする」「すべてのカップのリユース、リサイクルを行う」「年間100万時間規模のコミュニティ貢献を行う」ことなどを目標に定めています。

トップメッセージでは、ビジネスにおけるCSRの重要性を独自の言葉で語っています。

「会社ができて40年以上、事業を行う地域や人々、そして私たちが共有している地球環境に対して公正で人道的な対応に努めてきました。私はこの伝統を誇りに思います。マーケットや消費者は、企業が何を支持しているか、約束に従って行動しているかについて、これまでにないほど高い関心を抱いています」

「ビジネスを人道的なレンズを通して行なわなければ、人々や消費者と信頼を築くことができません。スターバックスでは、これは毎日得なければならない信頼です」

そして活動の成果については、

「私たちは倫理的な調達の活動を拡大しつづけており、今日、調達しているコーヒーの93%が自社の基準を満たしています。カカオ、紅茶の調達活動の強化によって、以前よりもまして良い影響を与えられるようになりました」

また、「スターバックスが事業の現状維持を良しとせず、革新的な製品やアイデアを積極的に取り入れるように、事業を超えて、私たちが持っている資源を新たな革新的で優れた方法で利用する道を模索しています」と今後の活動に触れています。

「2012年には起業家のリーダーであるブレア・テイラーを、新しく設置した地域責任者(チーフ・コミュニティ・オフィサー)として迎えました。ブレアは地域活動、パートナー、行政との関係、多様性を率いることとなりました。スターバックスの役員の一人として、当社が世界中の地域で変化を起こす活動を支援していきます」

と締めくくり、今後さらに活動が広がりを見せることを期待させるメッセージとなっています。

スターバックスグローバルレスポンシビリティーレポート2012 http://www.starbucks.com/responsibility/global-report

211号(13年5月8日発行)

たばこ会社のCSR

今回は、世界第2位のシェアを持つイギリスのたばこ会社、ブリティッシュ・アメリカン・タバコについて取り上げます。たばこの害が叫ばれる中で、どのように事業をサステナブルに成長させようとしているのでしょうか。

トップメッセージの冒頭では、「多くのステークホルダーが、より危険の少ない製品を喫煙者に提供することが、最も重要な課題だと言っている」と述べており、健康への影響が最大の関心事となっています。これに対して社長は、

「もしあなたが、ニコチンが喫煙に関連する病気の原因だと考えているなら、それはあなただけではありません。医師でさえこれを信じている人がいます。実際は、病気の原因になるのは、たばこやたばこの煙に含まれる有害物質であって、ニコチンではありません。ロイヤルカレッジの見解では、喫煙の害を削減するには、たばこの代替としてより安全にニコチンを提供することだと述べています。そのため私たちは、喫煙する人のために新しいニコチン製品の開発に努力しているのです」

と述べています。たばこに対する誤解が依然として多く、その誤解を正していくことが同社の課題となっているようです。また、葉たばこの生産に対しても正しく理解されていない現状を訴えています。

「たばこの生産は、他の商業作物よりも、経済、社会、環境に悪影響を与えるという人もいます。最近の研究では、それは事実ではないという結果がでています。ディベートのページを読んでいただき、それが事実かを各自で判断していただきたいと思います。葉たばこの生産者は利益を上げているし、葉たばこは他の作物とのローテーションで育てるので、安定した収益とともに食料の確保にもつながっているのです。」

このように、製品や生産に対する批判が多いだけに、同社はステークホルダーとの対話を重視してきました。他に先駆けて2001年から本格的な対話を開始し、その過程も詳細に情報公開することで、信頼性を高める努力をしています。さまざまな批判を、避けるのではなく受け止めて対話する姿勢を持ち続けることが大切であると教えてくれる報告書となっています。

サステナビリティレポート2012 http://www.bat.com/group/sites/uk__3mnfen.nsf/vwPagesWebLive/DO52AD7G?opendocument&SKN=1

210号(13年4月24日発行)

ページのトップへ