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10,500社におよぶCSR報告書の調査から見えるもの

今年は昨年と少し趣向を変えまして、CSR報告書をいろいろな視点から読み解いていきたいと思っています。
今回から数回に渡って、アメリカのコーポレートレジスターが発表したCSR報告書に関するレポート「CR Perspective」(和訳すると「企業責任の全体像」)の中から、いくつかの話題をご紹介していきます。

このレポートは、170カ国の10,500社、52,000に及ぶCR報告書のデータベースと、300人のCR分野の専門家へのオンライン調査をもとにまとめられたものです。
(※このレポートの中では、CSRではなく「CR(企業責任)」という言葉が使われています)

レポートの始めに、CR報告書の発行企業数や地域についてまとめられています。それによると、発行企業数は2002年から2012年の間に4倍以上に増えたことがわかります。ヨーロッパでの発行が最も多く、次に北アメリカ、アジアと続いています。国別に見ると最も多いのが中国、次にアメリカとなっています。

また、有識者へのオンライン調査において報告書の品質も過去10年間で大きく向上していることが示されています。「透明性があり有益な報告を行うこと」や、「信頼を得るための効果的なツールである」といった観点でプラスの評価を得ています。

さらに近年、「自主的な報告」か「義務的な報告」かが議論になってきました。この調査では、義務的な報告は、アニュアルレポートの一部の項目として特定の指標(CO2など)に限られるのではないかと見ています。その一方で、非財務報告がいくつかの証券市場での上場の要件となりつつあること、EUに所属する従業員500人以上の企業に非財務報告を義務化するといった提案が出ていることなどが示されています。

CSR報告はまだ確立されておらず、今も、試行錯誤をしながら発展しています。全体の流れを知ってCSR報告書を読んでいくと、また新しい視点が見えてくるかもしれませんね。次回からは、具体的なCR報告書の中身についての調査結果を見ていきたいと思います。

(参照)コーポレートレジスター「CR Perspective 2013」

227号(14年1月8日発行)

持続可能なモビリティを追求するダイムラー

前回に引き続き、車のメーカーであるダイムラー社のCSRレポートをご紹介したいと思います。同社のトップメッセージは一風変わっています。

「風刺家カール・クラウスはかつて次のような話をしました。ある学生が教授に、企業倫理の研究がしたいと伝えたところ、教授は『あなたは心を決めなければなりません。これを取るか他をとるか』と答えました。倫理と事業の成功は相容れないものと考えられています。しかし、私たちはそれらが共存できる上に一体のものと考えます。それは、倫理価値に沿ってサステナブルな方法で行われたビジネスだけが長期的に成功できるからです」

そして、中世ヨーロッパの「名誉商人」の概念を引用し、企業倫理が古くから伝わる考え方であることを語っています。

「『名誉商人』という概念は時代遅れに思われますが、今はこれまで以上に関連性を持つようになっています。名誉ある商人は、利益を得たいというだけでなく、顧客や取引先、従業員や社会の要望に応えたいと考えています。彼らは自分の興味によって動いていますが、それとともに信頼が最も重要な通貨であり、完璧な評価が最も欲しい資産であることを知っているのです」

「ステークホルダーは、『トップパフォーマンスの文化』を製品や技術だけでなく、環境や社会、倫理的な責任への取り組みにも適用させることを期待しています。これに関して私たちはサステナビリティ計画2010-2020の中で明確な目標を定めました。これは、ステークホルダー調査やダイアログを通して得られた数々の重要な提案をもとに作成しています。これ以降のページで私たちがどのように進歩してきたかを見てください。私たちの活動は、環境配慮のモビリティから排出ガスの削減、イノベーション経営、多様性の推進、グループ全体の企業文化の醸成まですべてをカバーしています」

最後は、読者への期待で締めくくっています。

「多くの成果がありましたが、私たちはトップになるためにまだまだやるべきことがあります。この旅を続けるために、未来に向けた重要なパートナーとして、また『名誉ある商人』とは何かを理解したパートナーとして、あなた方に期待しています」

ダイムラーサステナビリティレポート2012(英文のみ)
http://www.daimler.com/sustainability

226号(13年12月25日発行)

ステークホルダーとの対話を進めるBMWグループ

今回はドイツの自動車メーカー、BMWをご紹介します。ドイツのサステナビリティ報告書ランキングで第1位をとったこともある同社のレポートは、ビジョンや活動がわかりやすく構成され、私も好きなレポートのひとつです。

トップメッセージの冒頭には、サステナビリティの重要性が語られています。

「BMWグループは将来を見据えた会社であり、長期の成功に向かって行動します。これが私たちの『ナンバーワン戦略』です。サステナビリティは、私たちの企業戦略において重要な側面であり、これを将来への投資と捉えています」

そして、具体的な成果について以下のように述べています。

「私たちは『Efficient Dynamics技術』によって車のCO2排出量を削減するとともに、クリーン生産の方針により工場でのエネルギーや水の消費量を削減してきました。2012年にはサプライチェーンマネジメントにサステナビリティ側面を導入するという大きな進歩がありました。このことは私たちの総合的なアプローチを示しています。革新的な素材や技術を車のコンセプトに取り込むことから、生産時の再生可能エネルギーの利用、社員の新しい労働環境、グローバルなCSR活動まで。これが、すべてのバリューチェーンにサステナビリティを組み込む方法です」

また、CSR活動に欠かせない「ステークホルダーとの対話」に関して、世界各地で実施してきたダイアログの成果が紹介されています。

「私たちは、人々が将来のモビリティをどのように思い描くかを理解したいのです。そのため、レポートにおいて高いレベルの透明性を目指すととともに、政治家や学者、NGOなどのあらゆるステークホルダーとの対話を行っています。ダイアログは、2011年にはライプツィヒとニューヨークで、2012年にはベルリンとサンフランシスコで行いました。このダイアログは私たちに、意思決定や行動に組み込むことができる重要な示唆を与えてくれました」

レポートの中でもステークホルダーとの対話に関する記述が充実しており、対話を通じて学ぼうとする姿勢が伝わるレポートとなっています。

サステナブルバリューレポート2012(英語のみ)
http://www.bmwgroup.com/bmwgroup_prod/e/0_0_www_bmwgroup_com/verantwortung/svr_2012/einfuehrung.html

225号(13年12月11日発行)

人々の暮らしをサステナブルにするP&G

今回はアメリカの消費材メーカー、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)をご紹介します。日本でも多くの家庭にシャンプーや洗剤、化粧品など、P&Gの製品があるのではないでしょうか。

トップメッセージでは、同社のサステナビリティへの想いが語られています。同社の成功は消費者を理解する力にかかっており、消費者が今求めているのは「トレードオフのないサステナブルな商品」である、と述べた上で、

「私たちはこの挑戦を受け入れます。P&Gブランドの商品は革新によって商品の機能を向上し、資源効率を継続的に高めることによって、世界中の人々のサステナブルな暮らしをお手伝いします。タイドやダウニーは、消費者にエネルギーや水資源を保全することだけでなく飛躍的な性能を提供してきました」

と商品によってサステナビリティを実現すると述べ、企業活動においても以下のように語っています。

「P&Gの環境活動は資源の保全、再生可能資源の利用、製品廃棄物のリサイクルや再利用の革新的な方法の開発に注力しています。私たちの長期ビジョンは厳しいものです。再生可能エネルギー100%や埋立廃棄物ゼロのビジョンを達成することは、すぐにはできませんが、短期・中間目標を立て、着実に進歩させています。この活動は、環境にプラスの影響を与えることに加え、売上やコスト削減において10億ドル以上の価値をP&Gにもたらしています」

そして、社会に大きなインパクトを与えているのが次のような活動です。

「P&Gは、暮らしをより快適にし、健康と衛生を改善することに注力しています。これはP&Gが製品や専門性、パートナーを通じて私たちが独自の価値を提供できる分野です。P&Gの『子どもたちのための安全な飲み水プログラム』は、この取り組みの基軸となっています。これは、汚い水からわずか30分で飲み水に適したきれいな水にするというP&Gの革新的な技術を活用しています。最近、世界中で60億リットルの水をつくり33,000人の命を守れたことを祝いました」

全63ページの大容量のレポートですが、PDFをウェブで読みやすいように工夫され、パソコン画面に合わせて横長に作ってあるのもユニークです。一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

P&Gサステナビリティレポート2013(英語のみ)
http://www.pg.com/en_US/sustainability/report.shtml

224号(13年11月27日発行)

子供の育成に力を入れるザ・ウォルト・ディズニー・カンパニー

今回は、誰もが知るアメリカの会社、ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニーのCSRレポートをご紹介したいと思います。トップメッセージの冒頭には、そのエンターテイメント性だけでなく、CSR先進企業としても高い評価を受けていることが述べられています。

「当社はこれまで、ほぼ一世紀にわたり、想像を超えるような素晴らしい体験で世界中のご家族を楽しませ、喜んでいただき、そして新たなファミリーエンターテインメントの基準を創造してきました。今や、最も著名で尊敬されるブランドのひとつとなり、時代を超えたストーリーと愛されるキャラクターを持ち、2013年「フォーチュン誌」の「世界で最も尊敬される企業(World’s Most Admired Companies)」でトップ10に選ばれました。」

そして、同社が力を入れているのが、子供たちの育成です。創造力を高めるためのプロジェクト、自然と触れ合う機会の提供、健康的な食生活への配慮など、さまざまな側面から子供たちの健康的な成長に寄与する活動を進めていることがCSRレポートから読み取れます。

「当社の企業市民活動の使命には、ビジネスと製品の製造過程を倫理的な方法で行うことが掲げられています。そこには、環境保護プログラムの尊重、二酸化炭素の排出量削減、子供や家族の健康な生活を促進するために子供向けテレビ番組における業界初の食品テレビ広告規制の導入、そして私たち自身が起こす行動によって、子供たちや家族など周囲にも影響をもたらし、ポジティブな変化を起こそうとすることなどが含まれています。」

「家族に対して正しいことを行うことは、当社のビジネスにとっても正しいことを行うことだと信じています。数多くの選択肢が存在する市場環境において、ディズニーの製品がより魅力的なものになります。これらはすべて、株主の価値をさらに高め、そしてザ・ウォルト・ディズニー・カンパニーの継続的な成長と成功に貢献します。」

ブランドへの誇りと、それを維持していくための決意が感じられるメッセージとなっています。日本語版のサマリーレポートもありますので、ぜひご覧になってみてください。

ディズニーの企業市民活動2012(日本語版あり)
http://thewaltdisneycompany.com/citizenship/reporting/report-archive

223号(13年11月13日発行)

サステナビリティへのインスピレーションを与えるイケア

今回はスウェーデン発祥の家具メーカー、イケアをご紹介します。イケアのお店は遊び心が満載で、カラフルな部屋のディスプレイを見るとワクワクしますよね。社会環境報告書のトップメッセージには、イケアにおけるサステナビリティの考え方が語られています。

「サステナビリティは、プロダクトデザインから製造、梱包、輸送に至るまで、イケアのイノベーションの偉大な推進力です。サステナビリティは、上質の製品を手頃な値段で提供するビジネスモデルと立派に両立します。つまり、地球の限りある資源に慎重になりながら、低価格で提供できる企業にならなければなりません」

「より快適な毎日を多くの人に提供することが、イケアの願いです。イケアのビジネスはホームファニッシングですが、イケアのビジョンは、家庭という枠を超えて取り組み、私たちが行うすべてのビジョンを当てはめる機会と責任を与えてくれます。人と地球に調和しながら成長し、進化することをイケアは目指しています」

「新しいサステナビリティ戦略 ”People & Planet Positive” の目標は、何百万人ものお客様がよりサステナブルな暮らしを送れるようインスピレーションを与え、イケアがエネルギーと資源の自立を図る企業となり、より快適な毎日を人々とコミュニティに提供することです」

製品自体がエコであるというだけでなく、暮らし方をサステナブルにするためのインスピレーションを与える、というのはイケアらしいなと感じます。さらに、具体的な成果についても少し触れています。

「エネルギーと費用を節約する多数の製品が開発されています。これからも望ましい原産地で算出される再生可能な材料の占める割合を増やし続けます。また誇らしいのは、すべてのホームファニッシングサプライヤーが12年の懸命の努力の後にイケアのサプライヤー行動規範に基づいて認証を取得したことです」

この報告書は100ページ近くあるものの、デザインが美しくイケアらしい楽しい雰囲気になっています。日本語のサマリー版も発行されていますので、ぜひ一度ご覧になってみてください。

イケア社会環境報告書(日本語のサマリー版)
http://www.ikea.com/ms/ja_JP/about_ikea/facts_and_figures/sustainability_report/sustainability_report_2012.html

222号(13年10月23日発行)

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