環境技術情報

CO2を吸収する化合物

製薬会社で新薬を探す際に用いられる技術を応用して、発電所から発生する困りものの二酸化炭素(CO2)を捕捉する新しい化合物がカリフォルニア大学ロサンゼルス校で発見された。自分の体積の60倍分もの二酸化炭素を取り込むことができるという『ZIF-69』という物質である。ZIF-69は、化学物質を超並列的にテストする『ハイスループット・スクリーニング』と呼ばれる技法を使って、24種類の類似の化合物とともに発見された。スポンジ状で、さまざまな形状の分子をふるいにかけて二酸化炭素だけを吸収することができ、この化合物に圧力をかけると、二酸化炭素を吸収し、そのままとどめて放出しない。圧力を減らせば二酸化炭素が放出されるため、捕捉された二酸化炭素を貯留システムに廃棄することができるという。このような性質のおかげで、二酸化炭素を捕捉する効率性を大幅に高めることができるとみられている。ただし、実環境での有効性は未知数だ。まだ数年は実地試験を行なうのは難しいとの意見もある。しかし、スタンフォード大学のFranklin Orr教授(地球科学)は「きわめて大きな可能性を持つもの」と評価している。


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