環境技術情報

塩水で栽培した作物をバイオマスへ

塩水で植物を栽培する研究が進んでいる。
 塩水を好む植物が、これまで有効利用できなかった約130万平方キロメートルにも及ぶ広大な土地を、エネルギー用作物などの栽培地に変えてくれる可能性がある。塩水を好む作物を栽培することで、世界の灌漑農地の面積を50%増やすことができる。これが実現すれば、代替燃料のメーカーはこうした作物を、罪悪感なくバイオマスとして利用できるようになる。そうなれば、バイオ燃料の成長を大きく妨げるもとになった、食糧か燃料かという論争に終止符が打たれるかもしれない。塩水で作物を栽培することは、数十年前から細々と行なわれてきた。しかし、代替エネルギーへの新たな需要が生まれたことで、大いに注目されるようになった。塩分を非常に多く含む土地なら海岸の砂漠化した地帯や、内陸の塩類土壌には、これまで開墾されていないところが多い。またすでに農地となっていても、塩分が過剰な土地が少なからずある。塩生植物は、塩水で育つ。塩分はほとんどの[地上]植物に害を与えるが、塩生植物では塩水を利用して水分を吸収している。自らの塩分濃度を周囲の塩水より高くすることで、浸透圧を利用して水を取り込んでいる。塩生植物は、他の形でも環境問題の助けになる可能性がある。大規模農場から流れ出した、塩分を含んだ水が人造湿地などに流れ込んでいるという問題だ。こうした問題を、塩生植物の栽培で解決するためのテストが行なわれている。塩生植物の栽培は様々な問題を解決する、多くの可能性を秘めている。


【関連タグ】 ・エネルギー問題

一覧へ戻る

ページのトップへ

登録カテゴリー

  • 省エネサービス
  • 太陽光発電