田植ロボットはGPS(グローバル・ポジショニング・システム:全地球測位システム)を搭載しているので、あらかじめ記憶された田んぼの形をもとに経路を設定して、自分の位置と姿勢を、植えた苗がまっすぐになるように自動制御しながら田植えができる。
田植えロボットは、田んぼの端に来ると自動で向きを変えて、次の作業列に入っていく。それには、こんな制御システムが働いている。位置計測用GPSで自分の位置を確認し光ファイバジャイロで走っている向きを検出。これらのデータをもとに、制御コンピュータがステアリングやブレーキなどの操作を制御する。人工衛星から送られる電波を受信して自分の位置を確認できるシステム、GPS。この田植ロボットは、田植え機の上に取り付けたGPSアンテナと、姿勢を計測する光ファイバジャイロのデータをもとに自動制御するシステムのおかげで、まったくの無人で田植えができてしまう。10アール(=1000m2)の田んぼなら20分程度で田植えが終わってしまう。今の田植機は2人(1人は運転、1人は苗を植える補助)で動かしているから、1人で数台を管理できるこの機械で、大幅に時間や手間が短縮できる。田植えロボットは30アール分の苗を積むことが可能で、コンバインやトラクター用の機材を積み代えれば、収穫や耕運作業も無人で行え、 高齢化による人手不足対策に期待が持てる。肥料や農薬をまくこともできるように改良がすすめられている。
中央農業総合研究センターが開発した「田植えロボット」は200万円程度での販売を目指しているそうである。
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