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研究会活動報告

研究会活動報告

最新の活動情報を掲載しております。

2019年11月11日更新NEW!

TCFDコンパス研究会 活動情報

サステナビリティ日本フォーラムでは、昨年10月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)最終報告書の私訳版(https://www.sustainability-fj.org/reference/)を発表しました。その後、今年に入って全4回で気候変動課題と将来展開が読みにくく社会に劇的な変化をもたらす事項も加味した2050年の長期社会像を描き事業への影響を考える、TCFDコンパス研究会を開催してきました。
TCFDは財務上の気候関連の情報開示を手引きする文書であるものの、複数の可能性あるシナリオを策定し、分析することに焦点を当てている点に、サステナビリティ日本フォーラムは関心を寄せています。
10/21に開催した共有会(https://www.sustainability-fj.org/seminar/20191021/)参加者の皆様からは(1)TCFDを勉強したい 9%に対し、(2)TCFDも含めた長期ビジョンづくりに関心があると(3)TCFD/SDGs/ESG対応を含めた会社の長期ビジョンづくりに関心があるとで91%とTCFDについての理解度の高さを伺うことができました。
TCFDコンパス研究会は、多くの先行企業が持ち始めた中長期ビジョンが今後の不確実性に対して耐えうるものかの検証と、中長期ビジョンへのロードマップ策定に役立つよう、アレンジを加えたプロセス演習としました。

<これまでとTCFD発表後の情報開示の違い(参考)>

企業の皆様が現在、開示されているようにGRIスタンダードの「305:大気への排出」でも報告組織は、気候変動の主な要因である温室効果ガス(GHG)の削減に資する取組について情報開示するよう求めています。そのため、これまではどのようなCO2削減取組をしているかが、主な開示項目でした。TCFD発表後、CDPの質問書も変更されています。情報開示の経験を重ねてきた企業にとっては、シナリオ分析以外は回答(開示)できたといった感想が多く、TCFD=新規性に富む、といったものでは決してないと言えます。しかしシナリオ分析については、「戦略」のなかで「組織が特定した、短・中・長期の気候関連のリスクと機会を記述する」「2℃以下のシナリオを含む異なる気候関連のシナリオを考慮して、組織戦略のレジリエンスを記述する」など、財務上の意思決定に有用な将来指向の情報を要請するよう設計されており、ここが異なるという認識が広まっています。TCFDコンソーシアムから10月9日に公表された「グリーン投資ガイダンス」でも、シナリオ分析の扱いについての議論が反映されており、「どのシナリオを用いたかよりも、そのシナリオを適切に用いて、説得性、妥当性のある分析結果、すなわち『ストーリー』になっているか、これらのストーリーに対して企業が必要な対応策をとっているか」を評価するとしています。共有会では、TCFDコンパス研究会で行ったことと合わせてTCFDの扱いについて、細かく沿う手引き的活用ではない考えを共有できたことがひとつの成果だったと言えます。

CSR部だけでなく、企画部、財務部の方にもご参加いただいたTCFDコンパス研究会では「企業としてどうにかなるだろう、誰かが対応するだろう、強制となれば対応しようといった考え方が今後通用しないことを強く感じた。30年後の世の中を想像すれば、今の事業の存続にも?マーク。それではその時にどうすればということを改めて考える機会が持てたことは良い経験であった」といったご感想もいただきました。

<今後ついて>

第二期TCFDコンパス研究会を来年度、さらにバージョンアップさせ、企画したいと考えております。
第二期TCFDコンパス研究会の研究対象企業、テーブルファシリの募集も行っておりますので、ぜひ、TCFDコンシェルジュ(サステナビリティ日本フォーラム事務局)へご連絡くださいませ。

2019年7月12日更新

後藤代表理事情報

第1回TCFDコンパス研究会のようすです。
(2019年4月8日開催)

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